がんとうつを経験した会社員がうつの根絶を目指すブログ

右足裏の皮膚がん(メラノーマ)と反応性うつ病を経験した私が、うつの根絶を目指して綴ります

比べない、せめて忘れる

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うつの最悪期を乗り越え、回復期に入ると”あとどのくらいで治るのか”が気になり始めます。当然ながら、医師は明確に答えてくれないので、ネットで”うつ 回復 平均”とか調べてみたくなります。ええ、私は調べてしまいました(笑)

しかし、今思うと調べても意味は無かったと思います。一口にうつと言っても、軽度から重度まで異なりますし、年代や基礎疾患、そして治療環境も全く異なるはずです。また、回復してから再発した方もいるはずなので、平均期間に意味は無いです。

そして、意味の無い平均期間と自分の状況を比べるのは良くないと思います。意味の無い平均に合わせようとして自分の回復状況を誤認してしまったり、意味の無い平均より回復が遅いことに罪悪感や無力感を覚えたりすることに繋がるからです。

意味の無い平均とは比べず、自分の状況と向き合いつつ、日々ほんの少しずつで良いので回復につながるアクションをしていきましょう。もし、調べてしまったら、忘れるために他のことに気を向けましょう。少なくともうつにおいて、人と比べて良いことは無いと思います。

小さなことの積み重ね

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うつになると思考力が落ちますし、そもそも考える気力が奪われるので、残り僅かな気力を元に回らない頭で考えられることは限られます。最悪期には、「とにかくつらい、しんどい」しか頭に浮かびません。

しかし、実感できないくらい少しずつですが、回復します。回復のために、小さいことで良いので達成して、積み重ねていきましょう。私の場合、最悪期に外出はおろか、ベッドから起き上がることも出来ないときには、「今日はリビングルームまで行けた」とか、「玄関の扉に触れた」とかそんな些細なことでも回復を感じて安心できたものです。それが積み重なって、外出出来た、電車やバスに乗れた、運動出来た…とつながっていきます。

最悪期を脱すると後は回復なので、小さな回復を心の支えにして行きましょう。大丈夫です、一人一人症状も回復度合いも異なるでしょうが、回復しますので。

ストイックさも必要?

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回復期には、誰しも「調子いいな…もう治ったんじゃない?」と思うタイミングがやってきます。私も最悪期を脱した後、何度も思いました。しかし、少しすると、頭が締め付けられるような感覚の予兆を感じたり、脳に不快感を覚えたりして、「やっぱりまだ治ってないわ…」と思い直します。

更に、実際に回復してくると、過去を振り返って「あぁ、あの時は治ったと思ったかもしれないけど、全然治ってなかったわ」と思うこともあります。

現在私は時短勤務ですが、仕事に集中すると、うつのことを忘れられるのですが、頭が締め付けられるような感覚の予兆を感じることがあります。うつが、「お前はまだ病人なんだ、忘れるなよ」と警告されてるかのように思います。

そもそも、薬を飲んでいる時点で、治ったとは言えないのですが、回復期の調子が良い時には忘れて無理をしがちです。医師や産業医にも、「勤務時間の延長はほんの少しずつ。暇でもっと何かやりたいと感じるくらいの負荷が回復にはちょうどいい」と言われています。

ぶり返しは二度と経験したくないですので、日々ちょうどいい負荷のレベルに悩まされます。うつ最悪期は何もできずひたすらつらいですし、回復期は自分の調子に一喜一憂して気持ちが不安定になりがちです。その上、うつに良いと言われる散歩等の運動をして、食事、睡眠に気を配り、仕事や学業等の負荷もコントロールするとなると、ある種のストイックさが必要な気がします。この生活でストレスを溜めてはいけないので、うまくストレス解消したいところです。うつの再発を防ぐため、ストレスを溜めないように生活をコントロールするとストレスが溜まるって…何か間違ってるような気がしますね(笑)

困難は分割する

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うつで休職した場合、最初に出社するのはとても勇気がいります。

上司、部下、同僚に会った時の対応や、そもそも自分のデスクはどんな状態になっているのか、そもそも出社して症状がぶり返したらどうしよう…等悩みは尽きません。

今思えば、「おはようございます。おかげで出社できるまで回復しました」と挨拶すればよいし、デスクはひとつひとつ書類等を片付けるしかなく、ぶり返したら上司に断って病院に行くしかないのです。しかし、当事者以外にはなかなか理解しがたいと思いますが…職場復帰の初期段階では、気にしても仕方ないことまで気になってしまいます。

 私は職場復帰の前日に、オフィスのあるビルの壁をタッチしに行きました。オフィスには入らず、ビルの壁をタッチするだけです。通勤風景を見るのも久しぶりでしたので、緊張しながら壁をタッチし、ホッとして帰路についたのを覚えています。

心理的なハードルは可能ならば分割すると越えやすくなりますね。うつに限らず、少しずつ改善するのが良いようです。少しの改善を積み重ねて習慣にすると、気づかないうちに大変革になります。

許さないけど、思い出さない

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公私を問わず、誰しも嫌な目に遭ったり、腹の立つことを言われたりしたという経験があると思います。そうした不快だったり、つらい経験によってうつで苦しんでいる方もいるかと思います。個人の性格によって、不快な経験、つらい経験をしても、短期間で心の折り合いをつけられる人もいるでしょうし、長期間モヤモヤとした消化不良的な感情に悩まされる人もいるでしょう。

私の場合は、モヤモヤとしたマイナスの感情を引きずり…しばらくしてから、考えるのが面倒になって「もういいや」と思えて初めて気持ちが切り替えられるという感じなので、どちらかというと後者のタイプです。

しかし、うつになってからは、過去のことや他人のことについて気にしないよう努めました。過去から教訓を得ることは出来ますが、過去の出来事そのものは変えられません。そして他人もまず自分の思い通りには動いてくれません。

とはいえ、「理屈では分かるけど簡単には割り切れないよ」と思う方が多いと思います。では、例え話ですが、ばあなたに嫌なことを言ってきた人が、あなたに土下座せんばかりに謝ったら、気持ちが晴れるでしょうか。

多分謝罪は受け取るものの、すっきりと気持ちが晴れることも無いと思います。過去にに起こった出来事を無かった状態に戻すことはできません。現実には、あなた嫌なことを言った当人でさえ、そのこと自体を忘れて日々を送っている可能性もあるでしょう。ますます腹立たしいですよね。こうして考えると、あなたがモヤモヤとした感情を抱え続けるのは損なのです。

なので、不快な経験を受け入れたり、嫌なことをいう人を許すことは出来なくても、「他のことに没頭して、なるべく思い出さない」というのはいかがでしょうか。最初は難しいですけど、運動、料理、音楽等自分が没頭できることをいくつか見つけるのです。私もなかなか気持ちの切替えが下手なのですが、一緒に出来るようになりましょう。

嫌なことを言う人のためにあなたの貴重な時間と感情を消費するのは勿体ないです。

そしてそんな人のためにうつで苦しむのはもっと勿体ないです。

再発防止に向けて

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今日は通院日でした。

幸いにして、減薬したことによるぶり返し等の悪影響がなかったため、減薬したままで更に2週間様子見となりました。医師からは、仕事の負荷を増やす際には、ほんの少しずつにすること、食事、運動、睡眠について引き続き留意することという指示を受けました。

ホッとした一方で、今後うつの再発を防止しつつ仕事を続けるためには、ずっと自分の健康に留意し続けないといけないのかな…とも思いました。うつの再発率は50%程度と聞いたのですが、もうあの最悪期に耐える自信が無いので、再発は絶対に避けたいです。メラノーマの手術後の熱と激痛も嫌ですが、回復の見通しが全く見えないうつの方がもっと嫌です。

喉元過ぎれば熱さを忘れるのが人間ですから、忘れた頃に再発ということが無いようにしたいと思います。食事、運動、睡眠、そしてストレスに気をつけていれば、うつを始め色々な病気の予防にもなるでしょうから、良いことなのかもしれません。

何より、メラノーマからとりあえず※生き残り、うつからも回復軌道にあるというだけで非常に幸運なのだと思います。これからは周囲や社会に還元していきます。

 

※5年経過して再発がなければ、再発可能性は低いと言われてます。いわゆる「がんサバイバー」です。私は術後3年なので、「とりあえず」なのです。

うつを経験してプラス思考になりました

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お題「#この1年の変化

去年の1月に海外赴任になり、仕事や生活環境が大きく変化し、加えてコロナ禍の影響もあり、不眠、うつになってしまいました。最悪期には本当にベッドから起き上がれず、頭も働かないため、医師に症状を伝えることもまともにできませんでした。

その後、仕事を休ませてもらい、本当に少しずつですが回復。家族帯同時にはトラブルもあり、うつがぶり返したものの、今ではかなり回復しました。うつのつらさは筆舌に尽くしがたく、二度と経験したくありません。しかし、この経験により、健康に気を付け、物事や人の良い面に注目する習慣がつきました。

うつを経験して却って良かったかも、と思えるようになるくらい回復して、お世話になった方へ恩返しがしたいです。そして世の中からうつを根絶したいと思っています。