ぶり返しに怯えながらの回復
私は、まだ薬は飲んでいるものの、日常生活に支障はなく、仕事も時短ながらしております。
調子の良い日ですと、「自分は完全に回復したのではないか」という錯覚に陥ることもあります。しかし、メールや資料を深く読み込んだり、会議等で色んな人の発言を聞きながら自分の意見をまとめたりといったように、脳に負荷のかかることをすると、「あ、このままだと頭が締めつけられる状態になるな」という感覚に陥ります。
この感覚になると、ぶり返しが頭をよぎりますので、すぐに脳の負荷を下げるようにします。ぶり返しに怯えると同時に、実は少しホッとします。というのは、まだ完全に回復していないということは、今より体調も良くなって頭の回転も更に上がるのだという表れでもあるからです。
とはいえ、本当に病前の状態に戻れるのかどうかという不安は常にあります。この不安がなくなった時が、本当に回復した状態なのだろうと思います。この不安を背負いつつ、日々丁寧に生きていきます。一緒に回復しましょう。
努力は報われるか
しばしば、議論が分かれるところです。議論になるのは、自分の望む結果が得られないなら努力したくない(=損したくない)という考えが根底にあるからだと思います。
私は、報われた状態の定義次第と考えます。もし、自分の努力が短期間で100%自分のメリットになるのが、「報われた」と定義するなら報われないことの方が多いでしょう。しかし、自分の努力の結果が発現する期間を、自分の生涯だけでなく例えば数世代後等の長期間、そして対象を自分以外の範囲にまで及ぶと考えると、間違いなく報われると思います。
今までなら、以上で終わっていたのですが、最近読んだ本(地平線を追いかけて満員電車を降りてみた/紀里谷和明)の中で、報われるかどうかより、報われるかどうかが気にならなくなる境地まで努力するという第3の選択肢が提示されおり、考えさせられました。
www.amazon.co.jpあとがきでも書かれている通り、作者の紀里谷氏は映画「ラストナイツ」に賭けた5年間が、報われるかどうかが気にならなくなるレベルの努力だったのでしょう。自身で興行成績が「惨敗」だったとはなかなか書けないと思いますし。
私も、これまでチャレンジしたことを振り返ると、そこまでの境地に達したのは、海外大学院受験のみです。結果は「惨敗」でしたが、清々しい気分になったのを覚えてます。仕事でも長期案件に関わり、終わったときは達成感もありましたが、結果がどうなろうが気にならないという境地にまでは達しませんでした。
うつの回復期に入ってからは、うつを根絶したいと強く思うようになりましたが、医者でもない自分がどこまで出来るかは未知数です。まずは、体験者ならではの観点からブログで一方的に情報発信していますが、カウンセリングにも挑戦したいと思います。
うつを根絶するにあたっては、それこそ根絶を目指して自分で出来ることを考えて、挑戦していくつもりです。
30 days challenge
9年近く前の話ですが、TEDでMatt Cutts氏が30days challengeという「やりたかったことを30日だけ試してみてはどうでしょう」とプレゼンをしていました。2年前に日本で英語の勉強をしていた際にシャドーイング課題になり、当時興味を持ったものの、しばらく忘れていました。
同氏はGoogleのスパム対策チームのリーダーを務めたこともあるコンピューターエンジニアですが、砂糖断ち、写真撮影、小説執筆、自転車通勤、キリマンジャロ登頂等、特に一貫性は感じられず、本当にやりたいことやってる感じです。
私はやりたいことがあっても、強制力が無いと、ついつい先延ばしにしてしまったり、まずは情報を集めてから…等行動が遅れがちです。更に失敗を必要以上に失敗を避けてしまう性格なので、とても刺激を受けました。
まずはblogを30日間連続で更新することにして先日達成。記事の質はさておき、そのまま40日以上更新を続けています。
プレゼンの中で同氏は、「チャレンジしようとしまいと30日間は過ぎていく、何を待ってるの?」と問いかけています。確かに、大怪我や大損しない限り、失敗したところでチャレンジ前に戻るだけです。
いえ、大怪我や大損の危険を冒してでもチャレンジしたいことはしたら良いのでしょう。やりたかったことをやらずにこの世を去る苦しみに比べたら遥かにマシな気がします。
私はうつをこの世から根絶させるチャレンジをしたいと思います。30日では終わりませんけどね。
頑張らないのも結構難しいよ
タイトルの言葉は、回復期に入り時短で仕事をする際に産業医から言われたものです。
最初はピンと来ませんでしたが、話を聞くうちに合点がいきました。調子が良い時は今までの分を取り戻そうとしてつい頑張りすぎてしまいがちです。そうすると脳に負荷がかかり、うつが再発する可能性が高まるのです。
適切な負荷をかけるのは回復に役立つのですが、適切かどうかは自分ではなかなか判断しづらい時もあるので、医師を始めとして客観的な意見を取り入れましょう。
泣いた赤鬼
今週のお題「鬼」
私が思いつくのは、童話「泣いた赤鬼」です。幼い頃に読んで、今でも強く印象に残っています。
私は、自己犠牲に基づいたストーリーに共感しやすいのですが、実生活ではなかなか実践できていません。私はうつを体験して、お世話になった方には自分を犠牲にしてでも恩返しをしたいと思うのですが、この恩返しは、「泣いた赤鬼」で書かれたようなヒロイックなイベントで一気に達成されるものではなく、日常的に少しずつ返していくものなのだろうと思っています。
自分が何か恩義を受けると、精神的に負担を感じるので、一気に返してしまいたいという思いにもかられますが、受けた恩義を忘れずに今後の人生で少しずつ地道に返していくという覚悟が必要なのでしょうね。